理事長挨拶
2014年11月の政治社会学会理事会において第3代理事長に選任いただきました。会員の皆様方に改めましてごあいさつを申し上げます。政治社会学会は、これまでの社会科学の在り方だけではなくさらに幅広く学問体系それ自体への問題提起を含めて、新たな「知」の在り方を探求するべく、会員の皆様方の熱く高い志を起点として活動してきました。そうした志を受け継ぎ、さらに本学会を大きく発展させていくことが、理事長に選任いただいた私の使命だと考えています。
本学会の研究活動は、2010年に設立以来、これまで短い期間ではありますが歴代理事長をはじめ役員の皆様方のご尽力で充実したものになってきました。毎年の研究大会や、関東および関西での政治社会学会の活動などは、いずれも大変活発であり、充実した内容となってきています。これまで、私たちの学会は、その基本的な活動方針として、政治社会の諸現象に関して、グローバルとローカルの深いかかわりを意識するとともに、また人文社会科学と自然科学の垣根を越えた視点を持って、社会デザインに新たな展望を、学問的にも実践的にも開くべく、熱意あふれる接近を試みてきました。
もちろん私たちは、政治社会学会としての研究を基盤として、これからの社会を考えることに基本的な目的をおいているのでありますが、その際に特に重視したいのは、未来に理想を実現するべく社会デザインの改革や刷新を目指すことであり、そうした営みを研究の場を通じて実現しようとするところに、私たちの大きな特徴があります。そのための学際科学的な接近や文理融合の試みですし、実証や経験知を大切にしたグローバルとローカルを結ぶ視座の提示だったと考えています。これからも、従来の学問研究の枠組みを超えた営みを、未来へのまなざしを基本として、革新的な社会デザインに向けて会員の皆様とともに紡ぎ続けていきたいと思います。
理事長としての2年間の任期期間中にどこまで学会としての理想を実現できるか心もとないところも多々ありますが、会員各位のお力を合わせていただき、これからの任期を全うしたいと思っています。よろしくお願い申し上げます。
2014年11月
政治社会学会 第3代理事長 新川達郎
(同志社大学大学院総合政策科学研究科教授)